ホンネの穴

海外で暮らす普通の女が日々考えること、誰にも言えない本音を漏らすブログ

図太い女、めがねに吸い込まれる男たち

弱い女と、強い男は見た事が無い

男はロマンチストで神経が繊細。 女は現実的で神経が図太い。 だから神様は女から腕力を取り上げ 男に腕力を与えたのです。

 

 

 

さすが美輪明宏さん、真髄をついたお言葉。



私も生きてきてこの方、強い男は見たことがない。

丈夫そうに、強そうに見せるのは得意かもしれない。きっとそうでもしていないと劣等感で潰されてしまうからかもしれない。

 

 

リストラされたことを家族に言えず、スーツを着ていってきます、と毎日家を出る父。

家族に話して、次の仕事を探すからそれまでは協力してくれと言えればどれだけ楽だろうか。

「俺は会社に必要のない人間なんだ」「金を稼いでいない」そんな男のプライド、繊細さは図り知れない。



一方女の図太さったらあっぱれものである。そして恐ろしいことに女たちは自分を儚い生き物に見せるのは得意なのだ。

 

昔バイト先のバーに社員として入ってきた年下の女の子の図太さはあっぱれものだった。

 

髪の毛は染めていなく、おかっぱボブというヘアスタイルに、メガネをかけ、化粧っ気はなくスタイルはといえば背は低めで肉付きはよく、巨乳。あだ名はすうちゃん。

 

正直、街ですれ違っても男たちが振り向くような女とは程遠い姿をしている。しかし、とても明るく笑顔が可愛い。

 

 

素直でがんばりやさん。そんな彼女には同い年の彼氏がいて、一度バーにも飲みに来ていた。彼も無垢な大学生、という感じの好青年だった。

 

小さなバーだったのでその時期の従業員といえば、店長、すうちゃんの他に男性社員がひとり、そしてアルバイトはもうひとりの男の子と私だけしかいなかった。

 

そんな環境下ですうちゃんと私はすぐに仲良くなり、バイト終わりにカラオケによく行った。カラオケといっても歌うのではなく、話に行くようなものだった。

小さなバーの、いつもの常連客の話だけでも、女ふたりの話は尽くことはなかった。

 

その日も、タバコとお酒の匂いと濁った空気のカラオケの一室で私はすうちゃんといた。すうちゃんは、彼氏の話をしていた。そして、実はね、と話を切り出した。

 

「この間、友達のカップルがお店に来たの覚えてる?」

 

うんうん覚えているとも。地味な感じの、カップルね。それこそ男の子のほうも女の子のほうも、無垢な感じで私は何を話したらいいものか内心あたふたしていたもの。

 

「あの2人ね、すっごく仲よくしてもらってるんだけどね」

 

ああそうだろうね、純粋そうなあんたたち3人がカクテルを飲んで顔を赤らめてるのを見てあたしゃ青春を思い出していたよ。

 

「びっくりするかもしれないけど、これ、見てくれる?」

 

ん?なになに。写真?どれどれ。



それはすうちゃんと友達カップルが絡みあっている写真だった。ええ、もちろん裸で。なぜかすうちゃんは裸体に紺色ソックスは履いたままだったけども。そういうプレイね、きっと。

 

あの無垢で地味な、すれ違うと思わず微笑んでしまいそうなカップルがハメ撮り?!さらになに、友達だというあんたを入れて3P?!

 

私は今まで知り合いの、ましてや親しい間柄の人のそんなプライベートな写真なんて見たことがなかった。と、いうかできれば見たくはない。

 

万が一を考えて、その写真や動画の保存方法もさすが。

一見電卓に見えるアプリ。それを開くとやっぱりただの電卓としての数字がならぶ。

 

その数字を押すと、その中に保存された写真や動画が表示されるという、なんとも秀逸なものである。

 

そんなアプリが存在するということは、世の中にはそれを利用する人がたくさんいるということ。

 

さらにすうちゃんは続ける。

 

「セックスは好きなんだよね。ここで社員として入社する前は、風俗で働いていたんだ」

 

ふ、う、ぞ、く  風俗!!!!!

 

あまりにも予想外なことが彼女の口から漏れるのにできるだけ普通を装い「へぇ、そうなんだ」と相づちを打っている私の内心どきどきなんて露知らず、彼女は容赦なく爆竹を投げてくるのである。

 

その時の宣材写真なるものまで見せてくる始末だ。そこに映るかわいい細身の巨乳は誰だ。別人じゃないか。



「それでね、実はもう一度戻ろうと思って、この間店長と話してね、この後出勤なんだ」 

 

 出勤…!!!

 

「もちろんこんなことがばれたら大変だから、内緒なんだけど。とりあえず、掛け持ちでしばらく続けようかなって」

 

早朝風俗という存在を、この時初めて知った。



純粋そうな彼女の目がめがねの奥で細くなる。もしかしたらこのめがねですら計算ずくなのではないかと思えてくる。



私はもうこの頃にはどっと疲れ、早く帰りベッドにダイブすることで頭はいっぱいだった。化粧を落とすことを考えるののすら億劫な、仕事終わりのカラオケボックス、午前4時。



私達が外に出る頃にはもう太陽が出始め、この荒れた街に新しい風が吹くのだ。そんな中、彼女は始発に乗り、風俗店に出勤し、シャワーを浴び、メイクを施し、殿方の相手をするっていうのかい!



そんな彼女のエネルギーはどこからくるのだろうか。私は笑顔で手を振って早朝の歓楽街へと消えて行くのを見送った。



後日、バーの系列店でバイトをする男の子に目をつけた彼女は、合同飲み会での帰りに酔って彼に言い寄り、泣いて日々の辛い出来事を相談するという手段で、みごとにその田舎から出てきてギャル男になりました風の男の子を彼氏として自分の手の範疇に収めた。

 

もちろん、好青年の彼氏との関係も続行中である。ご奉仕の仕事も続行中である。

 

ここまでくると感心ものだ。その妙妙たる女という武器を上手に使いこなす技たるや。

 

人は見た目によらないという言葉をこんなに実感する出来事はなかった。



彼女は持ち前の明るさ、見た目とギャップのあるまさか発言ができるトーク力、セックスを楽しむ力というその人間力でこれからもたくさんの男たちは彼女にどんどん魅了されていくに違いない。



そして女というのは強く図太い生き物だということ、男たちがいかに繊細で素直な生き物であるかということも思い知ったのである。



「美味しいパンケーキ屋さん見つけたから行こう」

 

カラオケボックスでの内密な話をした2日後、そんなメールを送ってきてくれるすうちゃんからは儚さも繊細さもそんなものは微塵たりとも伺えない。

 

ただただパワーがみなぎり、今日も元気なのである。








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