ホンネの穴

海外で暮らす普通の女が日々考えること、誰にも言えない本音を漏らすブログ

海外で腑に落ちないこと-フレンドリーが過ぎやしないかい?-

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どうしても腑に落ちないことってないだろうか。別にまあ良いんだけど、でも腑に落ちずにもやもやしてしまうこと。

海外では、そんな腑に落ちないことが山程ある。私がここカナダで日々感じる腑に落ちない。をいくつか語ろうと思う。今回はサービスのフレンドリーさが過ぎやしないか。ということについてだ。

 

フレンドリーと言ってしまえば聞こえが良いし、さすが海外だなとその日本では触れたことのない人々のフレンドリーさに感動することもたくさんあるのだが、たまに、いや結構頻繁に「それはちょっと、フレンドリーが過ぎません…?」という場面に遭遇する。

 

これはバーで起きたことだ。友人5人ほどだったので、大きな丸テーブルに案内された。サーバーのお姉さんはパンクな感じの美人さん。つかつかとやって来て、手には人数分のコースター。それをまるでフリスビーのように一人ひとりに投げるのだ。(お姉さんのフリスビーの腕は悪く、いくつかのコースターは床に着地)足元からそれを懸命に拾う友人、それを見た彼女はというと「ハッハッハ、ユーガッリ?」(ハッハー、取れた?)と笑顔。

「ハハハ…」ととりあえず一緒に笑う気の弱い私達。

ビールを飲みながら気を取り直して談笑し始めてると、お姉さんが「ヘイ!」と叫んでいる。このテーブルじゃないよね…?ないよね…?

 「ツカツカツカ」キタァァァァァァァ私達じゃぁぁぁん!なになに何した?!声に出せない焦りが全員に走る。

「それ、べたべたさわらないでよ!洗わなきゃいけないじゃん!」

ふとお姉さんの目線の先に目をやると、友人の一人がテーブルの真中にいくつか置いてあるビン(水用のコップ)を手にとっていた。

 これには全員、シーンとなった。なんかちょっと悲しくなった。

 そして彼女は「ジャストキディン!」(冗談よ!)と一言、友人の触ったコップを取り上げてさろうとした。

全然おもしろくもなんともない冗談である。

そこで友人のひとりが、「ちょ、それに水入れてくれ!」と言った。

全員、おおおお!ナイス!と声には出さずとも表情にでた。

「どうだ、これで『その変におしゃれなビンのコップを友人が触ったから洗わないといけないじゃない』が覆されるだろう!」

 お姉さんは何故かニヒルな笑いを浮かべ、一旦奥に引っ込み、ピッチャーに入った水をテーブルにドンと置いていった。

 そして私達はきちんと20%のチップを払って店を出るのである。ここも腑に落ちない。

どれだけサービスが悪かったとしても、チップを払うという文化に沿わなければいけない。じゃあ、10%とかにすればいいじゃん!って話だが、こんな時も私はなんだか変な意地で、普通のパーセンテージを払ってしまう。

だって、ビールは冷えていておいしかったし、料理もおいしかった。トイレに行く時にたまたま鉢合わせたキッチンのお兄さんも、ニコニコして丁寧に「トイレはあっちだよ」と教えてくれた。

これがフルでサービスが悪ければ払わなくてもいいのかもしれない。でも、もしかしたらそのチップはお姉さんだけに行くのではなく、キッチンの人たちにも行くのかもしれない。だから、チップを払う。

しかも、お姉さんの態度が決定的に悪かったとは言えない。「冗談よ!」と彼女が言っていた言葉の通りに受け取ると、これが彼女流の「フレンドリーな接客の仕方」なのかもしれない。

 

こんなことは結構ある。疑問なのは、例えばこれが私達日本人のグループじゃなく、ネイティブのおじさんのグループだったら、彼女は私たちにとったような態度で接するのだろうか…?もしそうならそれは彼女のキャラクターだからまあ、そういう人なのねってことで腑に落ちる。

しかしこんなことが起こる度に、これは私が日本人だからなのか?と腑に落ちないのである。


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